2010年7月1日木曜日

"弾言 成功する人生とバランスシートの使い方 小飼 弾 (著), 山路 達也 (著) "を読んだ感想を書いてみる。(最初の方は感想というより、電子書籍の今後の希望について書いてみました。)

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弾言 成功する人生とバランスシートの使い方 小飼 弾 (著), 山路 達也 (著)

まず、この本を読んだ理由は最近MacBook Proをだいたい持ち歩いているので、空き時間には数学学習、プログラミング学習(JavaSciprt, C#)をしていたのですが、久々に何か本でも読もうかなあと思っていたところ、TwitterのTLで私が購読しているブログ、404 Blog Not Foundの小飼弾さんの本がキャンペーンで114円で購入できる(キャンペーンは6/30まででした。)ということで、購入して読んでみました。
ちなみに普段は本を読むときはだいたい古本屋の100円セールで購入するので、新本がこの価格で購入できるとは嬉しい限りです。
AppleのCEO、スティーブ・ジョブズ氏のインタビューで、

速報:スティーブ・ジョブズ インタビュー@ D8
インターネットで最大のコンテンツ販売者のひとつとしていえることがある。価格は積極的に下げて、量を狙うこと。われわれはこれでうまくやってきた。いまは出版業界にこれを分からせようとしている。印刷とは違うやり方が必要だ。人々はコンテンツに対価を支払う意志があるとわたしは信じている。音楽やビデオについてもそうだし、メディアについても同じだと考えている。
と言っているのも一理あるのではないかなあと思います。実現してくれれば少なくとも私は新本1、2冊(だいたい3000円くらい)を買わずわざわざ古本屋にいって100円セールで30冊まとめて買うという行動をやめ、新本(100円くらいなら)を30冊買うという行動にでます。

この本を読んだ感想は一言でいうと楽しかったなあという感想です。あまり参考にならないかもしれませんが、例えば久々にスポーツをしたら疲れたという感想と、楽しかった、爽快だったという感想を持つことがあると思いますが、この本を読み終えた後の感想は後者でした。何しろ久々の読書だったのでひと安心です。

内容については理解できた部分、できなかった部分(私の知識不足かもしれません)、役に立ちそうだなあと思った部分等があったのでそのことを感想として書きたいと思います。
汚いカネはない。
というのはとても共感できました。
私は、"世の中、金じゃない。"、"お金より愛"、"拝金主義"・・・という言葉が嫌いです。私が思うに、世の中はお金もあれば愛もあれば、人間(友人、恋人、家族等々)、動物、植物、家、衣服、食べ物、車、おもちゃ、その他いろいろ数えきれないくらい、いろいろなものがあると思います。なのになぜお金についてだけ悪口のようなことを平気で言えるのかがわかりません。(上記の言葉を使っている方がどういうつもりかは分かりませんが、おそらくいい意味では使ってないと思います。)
私はお金にとても感謝しています。とても悪口など言えません。私が農家で米を作っている場合、もし今、世の中にお金がなかったら電車に乗るのにも、人と待ち合わせするのに喫茶店やカフェに入るのにも、愛する人に渡すプレゼントを手に入れにいくのにも、もちろんこの書籍を手に入れるのにも、常にお米を持ち歩いたり、送ったりしなければなりません。お米は大体の方(アレルギーの方や米を食べない人以外)が受け入れてくれるかもしれませんが、もし私が車を作る仕事だったりしたらもっと大変です。その都度、車をほしい人を捜し、さらに車を米と交換してくれる人を探し...という大変なことをお金は全て解決してくれます。さらに、現在は紙、あるいは硬貨なので持ち運びも簡単です。
お金には感謝してもしきれないくらいお世話になっていると思います。なので必要ならば拝んでもいいとも思ってます。

他にもお金の役割については著者の方に共感する部分がほとんどで、さらに、なるほどという部分も多々ありましたが、ただ異なることもありました。
著者は
カネとは人々が生み出した共同幻想である
と書いていましたが、私はカネとは神様(ここで言う神様とは宗教的な意味ではなく)からの贈り物だと思っています。もう少し付け加えると、心、言葉、お金は神様からの贈り物だと思っています。どうしてもお金という素晴らしいもの、神秘さを感じるものを人間が生み出せるとは思えないからです。
この部分の考え方が異なるだけで、最後の方に書かれている、
お金は特定の誰かが発明したのではなく、日々それとつきあっているうちに「こういうものだ」という理解が徐々に進んだものなのです。
という部分も共感できました。あとカネについて、
暴走するカネ
というのも、結果、結論は同じだとしても、あくまで暴走するのはお金ではなくそれを使う人だと思います。

もう1つ、これは著者に限ったことではなく一般に言われていることですが、1990年代の日本でバブル崩壊とその後の景気低迷という言われ方をよくすると思いますが、私は違うのではないかなあと思ったりしています。(私は経済学者でもなく物事をシンプルに考えるのがすきなので的外れなことを言っていたらすみません。)
まず、1980年代から1990年代初頭までに起こったこととは、株価と土地の値上がり、そしてその暴落だと思います。
つまり、1980年代に株式、土地を買ってしばらくして売る、という誰にでも出来る簡単な商売が1990年代初頭からは商売として成立しなくなった、ただそれだけだと思います。もちろんその商売を行っていたり、その商人に雇われていた人たちにとっては1990年代に入り儲からなくなり、あるいは赤字になり世の中不景気に感じるかもしれません。
もし日本人のほとんどの人が上記の商売に携わっていたら大変かもしれませんが、そうではないと思います。他の商売に携わっている方の方が遥かに多いと思います。なので、テレビや新聞で不景気だと繰り返したり、失われた10年だと言われたりしますが、それは株式、土地の売買の商売に携わった人に限った話だと思います。

私の知識不足が理由でか、理解できなかったのはストックとフローについての部分でした。
個人のストック、フローについては理解できましたが(私は会計の学習はとくにしたことがありませんが、以前に証券分析という本を読んだことがあったのでバランスシート(貸借対照表)、損益計算書に抵抗がなかったことが理由かもしれません。)社会全体についての若者と老人のストックとフローについてはよく理解できないままです。
理解できなかった箇所は、
老人が多くなると老人にストックがよどみ、若い人にはカネが行き渡らなくなる。
という部分です。私の知識の中だけで考えると、世の中全体で考えた場合にはストックがよどむことがないと思うからです。付け加えると、老人に限った話ではなく、若者にでも、社会全体で考えた場合はストックがよどむことがないと思っています。
なぜそう思うかというと、銀行というシステムがあるからです。
仮に、世の中に1億円があったとします。昔(銀行というシステムが存在しない場合)は、ある1人が1億円稼いで、1千万円使い、残った分(9千万円)を金庫にしまったら、世の中に1千万円しかなくなり不景気になると思います。
しかし、現在は銀行というシステムがあるので、1千万円使い、税金を払い、残りは銀行に積むことになると思います。(銀行を信用せずタンス預金にする人もいるかもしれませんが、ここでは銀行に預けると仮定)
ということは、もちろん銀行はその9千万円を誰かに貸し出します。そしてその借りた方も何かに使うか銀行に積むか、そしてまた銀行が....と繰り返されていると思います。ということは、結局いくら稼いでもそのお金は世の中みんなで使ってるということになると思います。なので世の中全体で考えた場合はストックがよどむということはないと思います。つまり、お金は無尽蔵にあるということだと思います。
以上のことから、不景気だと言う原因は商人(経営者)不足だと私は考えています。現代に商人というと不自然かもしれませんが、私は個人的に職業を士農工商で分けて考えるのがしっくりくるのでそう呼ばせってもらいます。(もちろん士農工商に当てはまらない職業(弁護士、医者等)もあるし、4つの内複数にまたがっている方も多いと思います。あと、ここでの士農工商は職業分類であって、階級は含んでいません。)
現代において、物不足というのは私は聞いたことがありません。(もちろん個々のもの、サービスについては不足するということがあると思います。最近でいうとiPhone 4の予約など)仮にお金がよどんだとしても、商人が儲けていないということだと思います。
最近の私が知っている具体例で言うと、ソフトバンクの孫さんは凄い商人だと思います。数年前のボーダフォン買収のとき、約2兆円の借金をしましたが、それは世の中に2兆円というお金を流したということだと思います。仮に、孫さんのような方が日本に10人いるだけで20兆円のお金が流れ出すことになります。(もちろん、借金してなくても凄い商人は沢山いると思います。借金するかしないかは自由ですし、利益が上がっていれば借金経営でも無借金経営でも、人間でいえば心臓が全身に血液を送っているように、世の中のお金をポンプのようにぐるぐる回してる事には変わらないので。借金、無借金のどちらが優れているという話ではなく。どちらも凄い!念のため。)
現代は士農工商のいずれの職業も大切ですが、特に商人が重要な時代なのではないかなあと思っています。(これで著者の言う、"あなたは、自分という「会社」の社長で筆頭株主"というのも一致)なので、私は20世紀は戦争の時代、21世紀は経済の時代になると考えています。どのくらいの期間かかるかは分かりませんが、21世紀中に世界中が同一労働同一賃金になる(均衡方法についての想像はこちら)と考えています。(それは先進国と呼ばれる国の賃金が上がるのか下がるのか、新興国の賃金が上がるのか下がるのかは分かりませんが。)
こう考えると最後の方で著者のいう
貨幣経済のネットワークに組み入れる
というのもインフラは別として、それが貧困国の人なのか、あるいはその他の国の人なのかは分かりませんが、商人がとても重要になってくると思います。

他にもいろいろな感想を持ったのですが、本の感想をブログに書くというのは私にとっては初めての経験で文書も要約できずに長々としたものになってしまったのでこの辺で終わりとしたいと思います。

長文を最後まで読んで頂き有り難うございました。

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